大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(う)252号 判決

被告人 清野全弘

〔抄 録〕

論旨第一点。

原判決が所論の如き事実を認定し、これに所論の如く法令を適用していることはそのとおりであつて、刑法第一〇条を明記してないのである。

而して、原判決が、住居侵入の点につき刑法第一三〇条の外に罰金等臨時措置法第二条、第三条を適用したのは罰金刑に処する前提として引用したのでないことは判文全体から見れば、明白である。即ち刑法第一三〇条には法定刑として懲役の外罰金の定もあるところ、この金額が、右措置法によつて二千五百円以下千円以上と改正されているので、右法条を引用したのであり、適用すべきものを当然適用したにすぎないのである。

又原判決が認定する如き住居侵入と強盗とは互に手段結果の関係にあるのが通常であつて、原判決がこれを刑法第五四項第一項後段の所謂牽連犯と認めたのは正当である。

もつとも原判決は刑法第一〇条を明記せずに、被告人を懲役五年に処したのは一見何れの刑を重しと認めたのか不明のようにも見えるけれども、住居侵入罪の刑と強盗罪の刑との内強盗罪の刑が最も重い刑であることは法文上明瞭であり、且つ住居侵入罪の刑に従えば懲役五年という刑は科し得ないであるから、結局原判決は刑法第一〇条を適用して、重い強盗罪の刑に従つて被告人を懲役五年に処したものと認められるから、原判決が刑法第一〇条を明記しないからとて敢てこれを咎めるに足らない。結局原判決には所論のような違法は認められず、論旨は理由がない。

註 本件破棄は量刑不当。

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